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劇場版名探偵コナン「ハロウィンの花嫁」のみどころ&ツッコミどころ紹介(後編)

前回、「ハロウィンの花嫁」のみどころを紹介したが、一方で(愛がゆえに)ツッコミたくなるシーンもあった。あくまでアニメ映画なので、あんまり突き詰めるのもどうかと思うが、あえて列挙してみる。

ツッコミどころ

①犯人忙しすぎるでしょ!
今回の爆弾は、水色とピンクの液体が混ざり合うことで爆発するタイプ。終盤、プラーミャはハロウィンイベントにあわせて、渋谷の東西に爆弾を仕掛け、一番低くなっている渋谷駅前で液体が交わる算段なのだが、その仕掛け方はすごい。渋谷の街中に飾られたあのランタンの1つ1つに液体詰める作業なんて、かなりの労力のはずだ。結婚式の準備もあったはずだから、プラーミャは相当忙しかっただろう。昨今のテロリストもワークライフバランス問題を抱えてるのだろうか…。

それに、あのハロウィンイベントはプラーミャが渋谷区から受注を受けて開催したのだろうか?(笑) 区や都のセキュリティも心配になる(笑)。

②渋谷の爆弾本当に止められたのか?
コナンたちの神がかったスーパープレイによって、液体は渋谷のスクランブル交差点で交りあうことなく不発に終わる。いや、地下の排水路とかで絶対交わっちゃってると思う(笑)。

③佐藤刑事怒ってほしかった!
佐藤刑事と高木刑事が2人でデスクで話してたシーン。高木刑事が「僕が好きなのは刑事の佐藤美和子なんだ!」みたいなことを言うと、佐藤刑事は元気を取り戻し、捜査に出かけるのだが、それでいいのか佐藤美和子。「刑事じゃない私は好きじゃないわけ?」とか言って怒るべきではないか!元気取り戻して捜査に行っちゃった佐藤刑事もかわいいけど、ジト目で怒る佐藤刑事が見たかった。

どうしてシリーズものは複雑化するのか

今回のコナン映画の特徴の一つは、トピックが盛りだくさんであること。映画の中にいろんなトピックが入ってくると、一つ一つが薄くなってしまうように感じることがある。海外の映画でも、「ダイハード」や「スピード」といったシリーズものがあるが、続編が出るたびにトピックが増え、物語が複雑化していく傾向がある。映画に求めるものは人それぞれだが、個人的には1つのテーマを2~3時間かけてじっくり掘り下げる方が好きだ。短いトピックを詰め込むのは、山場を複数つくるためだろうが、それはCMがあるテレビ的な作り方の気がする。(もちろん、あとでテレビ放映もするのだろうが…)

シリーズものの場合、「やっぱり最初の映画が一番いいよね」と評価されがちなのは、一つのトピックに深く入り込むことを楽しむ人が多いからではないだろうか。コナンもそうだ。劇場版第1作「時計仕掛けの摩天楼」は、森谷帝二による犯行を止めるという骨格がはっきりしているし、第5作「天国へのカウントダウン」はツインタワービルという舞台が主軸となって物語が展開していく。ところが、シリーズが続くとキャラクターの活躍、舞台の派手さ、アクション、トリックの巧妙さ、ラブコメなど、見るところが多すぎる事態となっている。

なんでなのか少し考えると、これは社会の変化ともうっすら関わっているかもしれない。最近はTikTokなどの短いコンテンツが増えている。息を吸うようにコンテンツを”消費”する人たちは、一つの世界観に2時間を費やすことができなくなっているのではないだろうか。手を変え品を変え、こんなシーンもあります、と、多くの人の要望に応えざるをえない。さながらファミリーレストランである。

名探偵コナンも、ここまでの人気アニメ映画となったからには、たくさんの観客を満足させなければいけない事情があるのだろう。私のように、コナンと共に大きくなった昔からのファンの中には、ついていけなくなっている人もいるのではないだろうか。でも大丈夫。注目したいところをきちんと決めておけば、あまり振り回されずに楽しむことができる。今回、私は警察学校組の活躍にポイントを絞って観ることで存分に楽しめた。プラーミャという犯人の思考や心理描写では味わいが少ない分、警察学校組をはじめとした、登場キャラの様々な表情を存分に味わうことで、満足度高く見ることができた。

そろそろ、事件にじっくり集中できる劇場版作品がまた観たいという気持ちもあるけどね。

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こっとん

こっとん

しゃべる図書館のひと

理想や妄想が広がりすぎて身の振り方を見失ったアラサー。職人や学者にめっぽう弱い。既婚。息子2。九州在住。

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