ぼくとTENGAの出会い
こんにちは、しーまんです。20代後半のとき、ぼくはシェアハウスに住んでいた。男性3人、女性4人が一つ屋根の下で生活していた。ある日、下の階の年下の女の子とカレーを食べに行った。チキンカレーを食べながら、その女の子はアプリで会った男性とだべって帰るみたいなことを時々しているという話を聞いていた。お腹もいっぱいになったところで、その女の子はおもむろに紙袋から2本の棒状のものを両手で取り出し、どんっとカレー屋の机の上に置いた。
TENGAとTENGA 3Dスパイラルだった。
「これ彼氏に買ったんですけど、たぶん1本で十分なんでどっちかいりませんか?」
ん?
新手の告白か?
いや、、、違うな。純粋なプレゼントだ。
シェアメイトの女性がカレー屋さんでTENGAをくれた。これがTENGAとの出会いだった。
出会いと別れの桜シーズン。今日は、あの時のTENGAとの出会いを思い出しながら、根掘り葉掘りと深掘ってみようと思うわけです。
TENGAってなに?
触れたことや使ったことはなくても、TENGAという響きは聞いたことのある人も多いはず。TENGAとは、男性がマスタベーションするために使われる製品で、株式会社TENGAが製造販売している。一言にTENGAといっても、実はいろんな種類がある。
コンタクトと同じように、使い捨てタイプか、繰り返しタイプかで別れる。使い捨てタイプには、オリジナルカップ、スクイーズカップ、ローリングヘッドカップと、形状が違うものがあり、それぞれに「スタンダード」とワンランク上の「プレミアム」がある。値段は、ざっと約1,000円~2,000円。
洗って使える繰り返しタイプには、夏季限定のCool spinner、FLIP ZERO、FLIP HOLEなどのシリーズがある。変わり種としては、ポップなタマゴ型のシルエットのEGGシリーズもある。
とにもかくにも種類が豊富である。初心者としては、そんなに取り揃えられても選ぶのに困るわけだが、あなた好みのTENGA診断なるものがあるので、やってみるのもアリ。東京に住んでいるなら銀座の阪急メンズ東京にあるショップに行ってみるのもいい。実際に行ってみると、Tシャツやらグッズが売っていてちょっと楽しい。店員さんも製品の特徴を丁寧に教えてくれる。
日本人男性でTENGAを知っている人は、83.6%(20代89.3%、30代86.0%、10代86.0%、40代72.0%)。売上も好調に伸びている。
みんなはマスタベーションしているのか?
そもそもマスターベーション(長いから、以下マスタべ)とは何か。「セックスではなく自分の手やアイテムなどを使って自分の性器を刺激して性的な快感を得ること」である。いくつかデータもある。「ジャパン・セックスサーベイ」というなかなかアツい調査によると、男性の85%、女性の70%が過去1年間にマスタべしている。男性は週に1回、女性は月に1回が多い。女性よりも男性の方がマスタべしているってのはなんか直感的にもわかる。
TENGAは「オナニー国勢調査」なるめちゃめちゃ興味深いリサーチもしている。さすが、TENGA。ただ、全国15歳-64歳の男性が対象で、女性のマスタべのことはわからないけど。1週間のマスターベーション平均回数は 2.94回で、トップは神奈川の3.77回、ワーストは徳島県1.95回。この地域差の理由はなんなのだろうか。
じゃあ10代の若者のみなさんはどうか。18歳意識調査では、男性の9割、女性の4割がマスタべ経験がある。やはり圧倒的にスマホでマスタべが多いけど、女性の2割弱は想像のみで男性より多い。何を想像しているんでしょうね。「青少年の性行動全国調査」というメッチャおカタい調査では、中学生男女の6割以上が13歳時点でマスタべ経験あり。
とまあ、ここまでの話をまとめると、老いも若きも、男も女も、意外とみんなマスタべしてるねってことがわかる。
ちなみに、海外はどうなのか気になったので調べると、TENGAは「2019年マスタベーション世界調査」もやっている。TENGAのリサーチはタイトルがわかりやすくていい(笑)。「外国でどれくらいの人がマスタべしているのか」の結果がこちら。どん。
日本では、マスタべは「卑猥」とか「気持ち悪い」みたいなネガティブなイメージが強いけど、みんな普通にやってるし恥ずかしいことではないってことですな。
TENGAは「治療」にも使われている
実は、TENGAは治療に使われている。性に関する障害のなかで、勃起障害(ペニスが勃たないなど)の次に多いのが膣内射精障害。マスタベはできても、セックスになると膣内に射精できないという由々しき事態のこと。強く握りすぎたり、床にこすりつけたりなどの強い刺激に慣れてしまうと、膣内で射精ができなくなってしまう。20人に1人が膣内射精傷害の疑いがあるんだって。
TENGAを使って弱い刺激で射精できるまでトレーニングすることで改善するケースがある。研究によると、射精障害の男性16人中12人(75%)がTENGAを使ってマスタべを習得、さらにそのうち5人(31%)が膣内射精が可能になった。すごいじゃないか、TENGA。なぜTENGAが治療に使われるのか、ググると別のリサーチを発見。
- 一定のグリップ圧を保つことができるため、強く握りすぎるというこ とがない
- ハード、スタンダード、ソフトの 3タイプがあり、それぞれの刺激に
対応可能。 - 使い捨て出来るので清潔である。
- 女性器の装飾などがなく、デザイン性に優れているため、医療現場で使いやすい。
- 製造元、販売元が明らかになっているので安心。
やるじゃないか、TENGA。しかーしこれだけではない。
握力が弱くて自分ではマスタべできない人がいる。たとえば、重度身体障害者の人々。そんな人のために「CUP用カフ(自助具)」を開発。それが、こちら。どん。
ちょっと画像だけだとわからんので見つけましたこの動画。なるほどね、手が動かなくても使えるようになるわけです。さらには障害者の働く場所をつくりだす「エイブルプロジェクト」も立ち上がっている。障害のあるアーティストがデザインしたパッケージの「エイブルテンガ」を買うと一つにつき100円が寄付されるんだって。そのパッケージが、オサレ。
いや、TENGAさん、いろいろ本気なんですね。
TENGAはどうやって誕生したのか
TENGAの掲げるビジョンは、
「性を表通りに、誰もが楽しめるものに変えていく」
今の社長の松本さんは元々車の整備工だったが、31歳の時に貯金も、仕事も失う。ものをつくりたいという思いがあった。スーパーやホームセンターに並ぶ商品を見てはその商品の背景の物語を考えた。ある日、アダルトショップに行く。グッズのコーナーには、製造元が書かれていない商品、女性器そのもののような商品がある。
「アダルトグッズ」は特殊な商品だから、製造元がわからなくても、開発した人の思いがわからなくても、エロければOKなのだろうか。
その違和感から2005年にTENGAができたということ。
2013年には女性向けのiroha(いろは)が誕生。女性もマスタべをするのに、なんか、はしたない的な雰囲気がある。しかも製品も男性器のような形をした露骨なものが多い。そんなタブーをぶっ壊しにかかっているのがirohaなのである。TENGAの女性社員が中心となり、デザインや心地よさにこだわってつくった。
とてもいいじゃないか。ぼくはあんまりTENGAを使ったことはなかったけど、その思いには共感するわけです。男性同士で性の話をすると「下ネタ」になり、女性と話すと「セクハラ」になるかもしれない。そうじゃなくて、もっと普通に話せたらいいよね、と思うわけです。
ということでTENGAを皮切りに、今後も気が向いたら性の話をだべりますのでお楽しみに。
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