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雑記

しゃべとしょ流!心動かされたランキング2023!

2023年ももうじき終わるこの師走。

アラサーともなると秒のように過ぎ去ってしまう1年間。その年の出来事をしっかり胸に刻んでおこうということで、しゃべる図書館2023年ランキングを開催します。書こうと思ってたけど書けなかったあんなことやこんなことも含めて、今年心揺さぶられたものをランキング形式で振り返る。

◼︎しーまんの心動かされたランキング

第1位 TAR/ター

 女性指揮者のリディア・ター(演:ケイト・ブランシェット)を描いた映画。ターというクラシック音楽界の実力者が、権威的なふるまい、ハラスメント行為によりバッシングされ追い詰められていく姿を描いている。

 という映画と言ってもいいが、そうではない。この映画はターの姿を見る自分自身のまなざしを体感する映画である。楽団の副指揮者をクビにし、若い女性チェリストにソロパートを任せるのは、プロフェッショナリズムか、独善的な私物化か。一人の学生と真正面から向き合う姿は、教育なのか、ハラスメントなのか。モンハンの音楽を指揮するのは、成功か、都落ちか。

 ニュース映像やSNSなどの毎日触れる情報から、ぼくらの中にはある印象が沸き起こり、それは印象でしかない、にもかかわらず事実のように認識してしまう。

第2位 俺のメモ帳(2023年9月5日放送の秋山最新情報)

 ロバート秋山のラジオ番組。2023年4月よりbayfmで放送中。通称「俺メモ」。bayfmの道路交通情報のBGMがたまらないと言って歌詞をつけたり、素人が送ってきた「ガッツだぜ」に秋山がひたすらメロディーを付けたり、何を聞かされているんだろう?と思いながら、ついつい聞いてしまう依存性の高い、変態リアリティーラジオ番組。

 9月5日の放送では、「今週のロバート秋山情報」なるコーナーを唐突に展開。秋山が架空のアナウンサーになりきり「ロバート秋山さんは、先週ジョイフルの宣伝部長になり、プレスイベントに参加しました」みたいな情報をお届けしてくれる。「続いて、今週の秋山さんの性欲情報です。秋山さんは、今週出張先のホテルで、夜、○○を見ながら性欲を分解したとのことです。以上、今週のロバート秋山情報でした。スタジオにお返しします」

ん?

完全なる不意打ちで、耳を疑った方も多いだろう。

コンプライアンスガチ守り時代の公共電波のなかで、大変貴重な瞬間だったのではなかろうか。spotifyでここ1か月くらいの放送を聴ける。

第3位 相席食堂 2023年3月28日ハリセンボンはるか

 みんな知ってる千鳥の相席食堂。旅人によって普通回と神回はあるものの、総じて千鳥が面白おかしく仕上げてくれる。ハリセンボンのはるかが新潟県燕市に向かい、どうしても行きたい場所があるという。

 その名も国上寺。1300年の歴史がある燕市の文化財でもあるその寺にはグラフィティアートのような壁画がある。イケメンチャラ男の源義経と酒呑童子が絡み合っている。上杉謙信や弁慶も登場するが、あまりに色っぽすぎて、アダルティーな絵の数々に、千鳥からも「ちょっと待てい」とツッコミが入る。このアヴァンギャルドな壁画に、お寺の人はOKしたのか。

 若者のお寺離れを打開すべく導入したのが、イケメン官能絵巻、とのこと。山田住職曰く、「賛否両論はありました」と。いや、それ「否」の方が多い時に言うやつよね。

 今までの自然と調和した本堂から、イケメン官能絵巻への大転換を図った国上寺は、令和時代の新たなお寺、「お寺2.0」の姿を私たちに見せてくれているのかもしれない。

第4位 creema(ハンドメイドクリエイター作品の購入)

 皆さんご存知、ハンドメイド作品を個人間で売買できるECサイトのcreema(クリーマ)。2010年頃から運営されているらしいが、ぼくが知ったのは2023年。自宅用の家具やら椅子やらを探していた。Amazon、無印、KEYUCA、unicoなどネットもショップもいろいろ探すが、サイズ・重さ・色合いなどで、どうもしっくりこない。

 そんな時、見つけたのがcreema。ただのECサイトでしょといえばそれまでなのだが、気に入ったのは、サイズなどを指定してセミオーダーで製作してくれる点。その割に、値段が安い。製作して出品しているクリエイターの人にもあれやこれや質問できるし、既製品や流通品では実現できないオーダーもお願いして、痒い所に手が届く「一点もの」をつくってもらうことができる。

 他にも、「世の中に存在するけどなかなかお店で見つからないもの」(たとえば、家のスイッチにシールとか)がパパっと見つかったりもする。よい顧客体験を提供しているなあと思ったのでランクイン。

第5位 ABEMA 山本裕典ホストになる

 スネに傷を抱える芸能人を次々とキャスティングし、バラエティ番組を製作しているABEMA。ニューヨークとさらば青春の光がMCを務める「恋のハイエナ」で配信された、「山本裕典ホストになる」はなかなかに面白かった。

 『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス』でも活躍したあの山本裕典。アラサーの我々からすれば、水嶋ヒロ、佐藤健、溝端淳平などと、ひとつのイケメン俳優時代を生きた芸能人。いろいろやんちゃをやって干されてしまったらしく、しばらく拝見していなかったが、ここぞとばかりの適材適所に舞い戻る。

 30代になっても顔はいい山本裕典だが、顔と芸能人オーラだけでは指名を掴めず、ホストとはなんたるか、姫(客のこと)は何を求めて来ているのかを学びながらホスト道を進んでいく。山本に徹底的にホストの心得とスキルセットを叩きこむのが、軍神こと心湊一希(みなと いつき)。論理的な人物分析、体系化したマニュアル、モチベーションを上げるフィードバックにより、山本やホストたちを成長に導いていくその姿は、部下のマネジメントに苦労している一般企業の管理職の皆さんにも参考になるのではないか。

 ホストクラブでの売掛を払うため女性が借金したり、詐欺をしたりということが社会問題になっている今こそ、見るべき番組である。

◼︎こっとんの心動かされたランキング 

第1位 アニメ版ワンピース ワノ国編

 アニメ版ワンピース、通称アニワン。今年はワノ国でルフィとカイドウが対峙するシーンが放送され、ルフィが食べた悪魔の実の真の姿「ヒトヒトの実幻獣種モデル”ニカ”」がアニメ初登場したことも話題となった。マンガのコマとコマの架橋する、アニメならではの演出が秀逸なのはもとより、ワノ国編では、墨で書いたような線と竜の鱗の水彩っぽい着色の美しさも見どころ。ド派手なシーンは映画のような迫力で、戦闘シーンはキャラクターのドクドクした生気が伝わってくる。細やかな仕事と大胆なアイディアに終始感動しっぱなし。

 ワノ国よくわからん、という人にはぜひアニメで見始めるのを勧めたい!今はワンピース公式YouTubeでアニメを延々放送し続ける「ANYTIME ONE PIECE」というイカれたライブ配信をやってるしね。

 こっとんの一番のお気に入りは1051話。覇王色の覇気がぶつかり天が割れるシーンは一見の価値あり。

第2位 名探偵津田(水曜日のダウンタウン)

 水曜日のダウンタウンで放送された説、「犯人を見つけるまでミステリードラマの世界から抜け出せないドッキリ、めちゃしんどい説」。

 ダイアンの津田さんをターゲットに、第1弾は2023年1月、第2弾は2023年11月に放送された。ロケと称しスタッフに地方山村へ連れていかれる津田さん。事件に巻き込まれ、自力で事件を解決するまで帰れないというドッキリ企画だ。第一弾、第二弾ともに、津田さんは早々とドッキリに気づくのだが、おかまいなく企画は続行。「面倒くさい」と「犯人を暴きたい」を行ったり来たりするダイアン津田さんを可笑しみながら、視聴者も謎解きに参加する新感覚の推理ドラマ&ドキュメンタリーだ。

 これまでの推理ものは、天才的な刑事・探偵・科捜研の人などが事件を解決していく様を、視聴者や読者が別の世界から俯瞰する構図だったが、津田さんというストレンジャーが登場することで、視聴者や読者が自己を投影する器として機能している。新しい推理コンテンツの発明だ。私はオンエアを視聴したが、今はU-NEXTとかで観られるらしいので、純度の高いバラエティを観たい人はぜひどうぞ。

第3位 歴史を面白く学ぶコテンラジオ 

 株式会社COTENがおくる、歴史インターネットラジオ「コテンラジオ」。podcast、Spotify、YouTubeもあるのがありがたい。今年の上半期のこっとんの耳は、ずっとコテンラジオを聴いていたと言って過言ではない。特に歴史が好きなわけではない私が存分に楽しめているのは、視聴者自身に引き付けて考えられるよう多くの補助線を張っているからだろう。話者がキュレーションの危うさに自覚的なのもいい。

 「教育の歴史」「障害の歴史」「人類のコミュニケーション史」など、国や時代を横断して一つのテーマを様々な角度から見るシリーズは、価値観を相対化し当たり前を疑うのが大好きな私にクリーンヒットだ。

 しゃべる図書館がお好きな方には、やっぱり「性の歴史」をおすすめしたい。手始めに日本の武士社会以降の性の歴史から聴くのがいいだろう。エロを禁じ、時には信仰してきた人類が、根源的欲求と社会規範の折り合いを付けようとする営みが興味深い。人が何に興奮するかは社会の規定によって大きく左右されるということがよくわかるはずだ。

 もちろん歴史上の偉人や大きな出来事で切り分けて紹介しているものもある。最近の配信の中ではシンドラー編がおすすめ。一般的に”いいこと”とされる行為はどのような経緯でうまれてくるのか、人間のもつ善性について考えさせられる。

第4位 堀元見の炎上するから有料で書く話 

 こちらもpodcastやYouTubeで人気のゆる言語学ラジオの堀元見さんが書くnoteの有料版マガジン。その名の通り、無料公開していたら炎上・荒らし・訴訟まみれになるであろうちょっと意地悪な話を摂取できる。堀元さんのことは以前から存じ上げていたのだが、今年6月、気になっていたとある事件について書かれるとあって、ついに有料マガジンに手を出した。

 気になっていた事件の全容は衝撃的でハイカロリー、全7記事で約9万字にわたる大長編にも関わらず、スルスル読ませる堀元さんの文章力はさすがだ。自らに降りかかった悲劇を喜劇として蘇らせ、読者に「面白い」と思わせるまで、多くの葛藤があったことは想像に難くない。内容には深く触れられないのだが、読んで後悔はないので”信じられないけど本当に起こった嘘みたいな物語”を読みたい人はぜひ購読してほしい。どんなに炎上しそうなものでも有料にするだけで秩序の保たれた空間を作り出すことができる、という点でも非常に勉強になった。

 なお、ゆる言語学ラジオも愛聴している。おすすめは「赤ちゃんの言語習得が無理ゲーすぎる【赤ちゃんの言語習得】#107」。

第5位 オルビス公式アプリ

 今年の夏、多くの美容系YouTuberがテカリ防止におすすめ商品としてオルビスの化粧下地を紹介していたので店舗へ。

 白とシルバーを基調とした店内は大変快適で、化粧品売り場独特の匂いもない。少しの接客を受けた後、目当ての下地をお会計中にオルビス公式アプリを勧められダウンロードした。このアプリ、ただのポイントアプリではない。「ビューティーチェック」なる機能が火を吹く、鬼優秀神アプリなのだ。

 まずは己のスキンケアへの姿勢を問うアンケートに回答。その後自分のすっぴんを撮影し、肌カルテをつくる。すると結果画面に、透明感、油分、水分、ハリ、キメをスコア化したチャートと、肌悩みの5段階評価(シワやたるみの箇所が色付けされた自分の顔写真も見れる)が表示される。

こっとんの赤裸々⭐︎肌カルテ

 フェイスプロモーション(いわゆる顔タイプ)とパーソナルカラーもいくつかの質問と写真2枚で診断が出るし、アイブローシミュレーターという機能では自分の顔に合う眉毛の形も提案してくれる。なぜか、老いた自分の顔(将来の肌シミュレーション)も見られる。最終的に、スキンケアにかけられる時間や予算、今の悩みと肌の状態などから適切な商品をおすすめされるんだけど、ここまで全部無料。いまや、私より私の肌に詳しいアプリだ。

 商品を買うかどうかは別としても、このアプリのおかげてなんとなくスキンケアの方向性がわかるのはかなり便利。もちろん男性もチェック可能。私のようにタッチアップが怖い人や接客が苦手な人は、おうちでこっそりビューティーチェックしてみるのもいいかもしれない。

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