アラサーの私たちは、ジャニーズが好きでも嫌いでも、ジャニーズ曲が自然と耳に入る青春時代を送ってきた。大ヒットした「世界に一つだけの花」「Real Face」「青春アミーゴ」「LOVE SO SWEET」あたりは、今も各グループの代表曲として聴く機会があると思う。
ジャニーズの曲には、愛や恋を歌ったラブソングや、キメポーズが想起されるような男前ソングがたくさんある。世間が求めるジャニーズ像に符合していればいるほど、ヒットにつながる。当然の理屈だ。
実はそんな王道アイドルソングの合間に、アイドル曲っぽくない、よくわからない魅力が爆発している楽曲があった。私はその「不思議ソング」たちが当時から好きで、「この曲なんなの?(ニヤニヤ)」と、いわゆるジャニヲタさん達とは違う楽しみ方をしてきた。私がひそかに楽しんできた、ジャニーズの不思議な魅力ある曲を紹介していきたい。
ファンタスティポ/トラジ・ハイジ(2005年発売)
イントロが最高。もうニヤニヤしてしまう。もしこの曲が令和の時代に発売されていたら、このイントロはカットされ、いきなり「ファンタスティポ~♪」だっただろう。平成の曲で本当に良かった。
最初の小さなコーラスの後、ベースとストリングスの完全4度→完全5度の響きによって、この曲のエキゾチックな雰囲気は決定づけられている。ゴダイゴの「モンキー・マジック」とか、久保田早紀の「異邦人~シルクロードのテーマ」みたいな異国感を醸し出している。
J-POPでは少数派の8ビート、中毒性のあるディスコティックな曲調。懐かしい不思議な雰囲気なのに無駄がないアレンジで好き。ダンスのかわいさもあって当時はかなり流行ったのだが、今も夜な夜な脱衣所でおどっているのは私ぐらいじゃないだろうか。。
きっと大丈夫/嵐(2006年発売)
嵐はもともと一筋縄ではいかない不思議な曲が多いが、この「きっと大丈夫」もかなりの変化球。みんなで歌いたくなる「wow wow」的なフレーズがちゃんとあるのに、ちょこちょこラップも出てくるし、隙あらば難しい調へ転調する。突然振り落とされるジェットコースターみたいな曲だ。よく聴くとベースラインが超かっこいい。
曲の調(ハ長調、イ短調みたいなやつ)には、近い調・遠い調という概念があり、近くの調であればサッと転調できるが、遠くの調にいくにはいろいろと道筋をつけて移っていく必要がある。しかしこの曲はなんだ。何の説明もなく、かなり遠くにある調に転調し、いつのまにか元の調に戻ってくる。こんなに不自然で難しい曲なのに、嵐の曲だからみんなカラオケで歌えちゃう。よくみんなすんなり受け入れてるね。
ちなみに「LOVE SO SWEET」の「♪空に響け愛の歌~/♪思い出ずっとずっと」の転調もかなり強引。道明寺バリに強引。
Darling/V6(2003年発売)
伝説。私はこの曲を初めて聞いた小学6年生のころの衝撃が今も忘れられない。「What感eye」と書いて「わかんない」と読む。何を言ってるのか全然What感eye。英単語を翻訳しても、それでも意味がWhat感eye。意味がWhat感eyeのに、6人がかっこいいせいで誰も突っ込めない。「What感eye」のほかにも「knight 病んで(悩んで)」「more 終わんない(もう終わんない)」などがある。たぶん、これ以上衝撃的な歌詞のアイドル曲はもう現れない。
ちなみに、曲は聞きやすいし歌いやすい、優しい曲だ。跳躍する部分もほとんどない歌いやすいメロディだし、ミディアムテンポのバンドサウンドでめちゃくちゃ親しみやすいJ-POP。ファンの間ではどういう評価なのか気になる。
ちなみにこの曲に関するおもしろブログを見つけたのでどうぞ。
Joy!!/SMAP(2014年)
南米のリズムのとにかく明るい曲。「Joy‼Joy‼」のところはみんなで叫べるし、これはよくあるアイドル元気ソングなのでは?と思うかもしれない。
いいか。この曲は歌うのがめちゃくちゃ難しい!!まず出だしのAメロから音域が1オクターブを超える。メロディラインがグネグネしている。対照的に、サビに入ると同じ音の連続が増え単調に聴こえるので、単旋律で盛り上げるのはとても難しい。つまり、大勢で、いろんな楽器で、多層に重ねながら演奏するための曲。そう、アイドルソングなのに「俺をみて」「私をみて」の曲じゃない!あのキムタクすら、この曲にかかればone of themで、みんなを扇動するためだけの曲なのだ。こんなの、真の国民的スター、いくところまでいったSMAPにしかできない。。。
お祭りのリズムが心地よく、永遠に聴いていられる。吹奏楽でやったらめちゃくちゃ映えると思うので、学園祭とかでずっと演奏しててほしい曲。
どうやって聴けばいいか教えてください
私は当時の音楽プレーヤーを引っ張り出して改めて曲を聴き、この記事を執筆したが、ここで取り上げた曲のうち、現在オンラインで聴けるのは嵐のサブスクとV6のエイベックス公式youtubeのみのようだ。KinkiKidsもYoutubeにMVが投稿されてたけどトラジ・ハイジはなし。実は他にも取り上げたい曲があったのだが、聴き直せなかったので書けなかった。 どうやら、グループごとに配信の状況が違うみたい。レーベルごとにいろいろってことなのかな。昔の曲は権利関係等複雑になっているかもしれないけど、そこには私たちの青春が詰まっている。「なつかしい~!」ってみんなで楽しめる日がくるといいね。
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