世の中にはさまざまな年齢制限がある。飲酒、喫煙、運転免許…。そして18禁。18禁がなくなったらどうなるのか妄想してみた。
18禁と市販薬の違い

そもそも18禁ってなんなんだろうね。「映画・小説・漫画作品などで、18歳未満の閲覧が禁止されている作品」ってでてくるね。

性的なもののイメージがあるけど、暴力や賭博の要素でも18禁になることがあるみたい。

お、警視庁のサイトに東京都の条例を発見。「青少年は、深夜はいかいダメ」とか「青少年は、使用済み下着等をブルセラショップ等に売ったらダメ」とかあるね。青少年は18歳未満になってるね。

「青少年は…」の羅列、怖いね(笑)

条例の本文だと、主語は、「青少年は○○してはいけない」ではなく、「知事は…」とか「業者は…」とかだね。大人は世にあふれる様々な「有害」なものから青少年を守るべし、というのがこの条例の言っていることなんですな。ちなみに、優良コンテンツは表彰されているらしい。

本当に有害なものがこの世にあるとしたら、大人もその害から守られるべきだと思うんだけど、なぜか大人は害にさらされてもいいってことになってるよね。その差ってなんだろう。

パターナリズムだよね。青少年は弱い存在だから、ちゃんと生きられるようにその存在や権利を国が守ってあげましょう。

なるほど。コンテンツが有害か無害かを評価すること自体にはあんまり意味はなくて、青少年を守れるかが重要ってことだ。当たり前だけど今気づいた。

青少年という存在を守りたいという目的があり、その方法として有害と無害を線引きする感じだね。でもさ、そもそも、18禁の線引きがあることで、青少年の健全な育成という目的は達成できてるんですかね。

青少年は自制できない生き物っていう前提に立つと、社会がなにかしら規制しなきゃいけないんだろうね。少し目を離すと、性的なことや暴力的なことに流されて行って、無法地帯になる、みたいな懸念がある気がする。

えー納得いかないね全然(笑)

塩素系漂白剤とかの方が危険度高いよね(笑) そういう直接的な危険は規制しないのに比べて、18禁は危険が起こるかわからないのに価値観の形成に首突っ込んでる感はある。

その話で言えば、たとえば市販薬を大量にドラッグストアで買える方がよっぽど有害な気がする。過剰服薬できるわけだから。でも、薬にはいい面もあるから、一定程度の規制で留まるよね。購入するほとんどの人は正しく使うし、それによる悪影響もあまりない、売る側も儲かっていいからOKだね、となる。コンビニのエロ本とか、18禁とかも、そういう意味では市販薬と一緒じゃない?

えーーーーーーー(汗)

エロ本買います。読みます。射精します。元気になりました。おしまい。
薬買います。飲みます。元気になりました。おしまい。
なんで18禁があるんだろうか

自分の中で整理つかなくなってきちゃったので、一度、現実世界で考えるね。
誰かを傷つけて自分の欲求を満たす行為は禁止。そして様々な教育の中で、多くの人が「人を殴ってはいけない」「犯してはいけない」という共通認識を持つ。
コンテンツの中には、あえてその共通認識から外れることで魅力を発揮するものもある。だけど、まだ教育段階にある青少年は「こんなこと現実では許されないよね」と認識できない危険があるから、規制しようということだと思う。

強烈なコンテンツを見る→この行為は法律で禁止されているor自分を傷つける→やっちゃいけないんだな→やらないでおこう
というロジックが働くかどうかってことかな。だとすると、コンテンツというより、やっちゃいけない行為を法律で禁じられているかどうかが問題だよね。

「この行為は法律で禁止されているまたは自分を傷つける」って、快楽を抑える理由としては弱くない?人とか自分を傷つけることに無頓着な時期ってあると思う。

まああるだろうけど12歳くらいまでじゃない?

まじ!?今でもあるよ(笑)

いやあっても法律犯してないでしょう。やってみたい欲はあるけど、法律あるし、いろいろ面倒だからやらない、という判断ができるのが12歳くらいかなあと。

危ういことをかっこいいと思ったり、強さと誤解したりすると、ちょっとしたきっかけでいつでも犯罪になると思う。問題は、自分が危うい状況であると認識してやり過ごせるかどうかで、そのやり過ごし方を手に入れるまでは時間がかかるって事だと思う。

たしかに、青少年の健全な育成って本質的にはそういうことだよね。でもそれは18禁とはほとんど関係なくない?危うい状況にさせるもの・助長するものっていっぱいある。お酒、処方薬、車やバイクetc… 数ある他の有害なものは無視して、なぜ性的なものや暴力的とされたものを見ることだけが禁止されるのか、なぜその自由だけ制限されるのか。

車もお酒も、他の有害なものはちゃんと年齢規制されてるよ。薬も種類によっては薬剤師の説明が必要だったりするし。性的なものだけが制限されているわけではないよ。
18禁は、観る人が「強烈なコンテンツを見る→この行為は法律で禁止されているまたは自分を傷つける→やっちゃいけないんだな→やらないでおこう」のロジックが分かっていたとしても、いろんな理由でその人が危うい時には、簡単に崩れうるからだ、ということだと思う。

なるほどね。ぼくは、そういったコンテンツに触れて、感じたり考えたりする自由を奪うことの方が問題というか、「その自由を奪うことは、本当に社会にとって必要ですか?」ってなる。
今だって禁止できてないじゃん。ネットで調べりゃ出てくる。実質「18禁」の状態にできていないし、コンテンツはあふれているけど、たとえば、レイプは激増していない(参照)。それが現実なんじゃないかな?
そういう実質運用できない規制を形式的に作って、道徳観だけ押し付けようってのはお金と人手の無駄だからやめた方がいいと思っているよ。

そうだね。わたしは、コンテンツの中身と犯罪の関係性じゃなくて、単に自分が不快になるから嫌だということだったのかも。たとえば、レイプするようなコンテンツを見たときに、誰かが「レイプいいなあ」と思う気持ちを持っている社会にいたくない、というだけかも。「レイプいいなあ」と思わないでほしい、と感じるのが誰かの自由を奪うなら、私の平穏に住みたい気持ちも奪わないでほしい。だから、18禁というせめてもの抵抗をさせてくれ。ってことだねきっと。

なるほど。18禁があることで、自分が嫌なコンテンツが禁止されているということに納得・安心感を得られる部分がある。そういう意味では、コンテンツをつくる側や売る側も、18禁ですよとラベルを張ることで、安心して売れるね。不快だなと思う人とか、有害だと思う人に対して、私たちは18禁と表示していました、責任果たしましたって言える。
矛盾するけど、18禁というルールがあることで、実際に安全になっているかは別として、安心する人がいる。コンテンツをつくる側や買う側も安心できる。そういう絶妙なバランスを生み出す装置ってことかもね。
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