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愛とSEXと家族

2024年の恋愛リアリティショーを振り返ろう。

他人の恋愛を見て何が面白いのだ。

2000年代の『あいのり』や、2010年代のテラスハウスにはほとんど興味がなかった。

しかし、2020年頃から急激に恋愛リアリティショーを見ることになり、気づけば今年もずいぶん見てしまったので、面白い順に振り返ってみる。

『ボーイフレンド』(Netflix・全10エピソード)

“すべてを説明せず、キレイな画だけでも終わらない。余白を考えさせる面白さ”

そろそろLGBTQ系のリアリティショーもでるんだろうなと思っていたら、韓国発でゲイ男性8人の『ボクらの恋愛シェアハウス』というコンテンツがNetflixで配信されていた。そして案の定、日本でもきたかという感じ。

総勢9人の男性がでてくるのだが、総じて全員声が小さかったり、画と音楽がすごいきれいだったり、ガツガツしたテイストがそこまでない。全員が恋愛対象になりうるから、恋愛と友情の地続きを感じることができる、という新感覚もある。記憶に残る場面も多かった。

たとえば、ダンサーのユーサク。マッスル維持のために鶏肉買ったら年下メンバーに怒られてしまうなど、年長なのに子どもみたいな印象を与えていた。しかし、中盤の早い段階で、仕事の都合でシェアハウスを去ることになる。

話がへたくそ=「はなくそ」と言い間違えるユーサク

その去り際はなかなかに感動的なのである。「ただ鶏肉食ってるだけの奴かと思ってたけど、他者のことをとても大事にしてたんだな」と。明確には語られていないが、その去り際を見ていると、ユーサクはユーサクなりに年齢相応の苦労や経験をしてきたんだろうなと感じて、少しじーんとくる。

そして入れ替わりで、イクオという新メンバーが入る。こいつの天真爛漫ぶりもめちゃめちゃよかった。みんなでピクニックに行って、なんか深刻そうな顔でいろいろ考えるメンバーを尻目にきゃんきゃんはしゃぐ姿は名シーンである。

その深刻そうな顔をしているやつの一人が、シュンという、まあ超絶かまってちゃん系男子。こいつめんどいなあ、あ、23歳だから仕方ないかあ、とアラサーになると慈愛の目で見られてしまう。このシュンはSNSで叩かれたりしそうではあるが、かまってちゃんぶりを編集せずに描き続けたのもよかった。

音楽含めおしゃれにつくられていて、ややきれいに終わりすぎた感もあったが、愛情と友情や、それぞれの過去などをはっきりさせずに描いていたので引き込まれてしまった。

『あいの里 シーズン2』(Netflix・全20エピソード)

“濃厚豚骨スープのように濃ゆいキャラクターの波乱万丈”

言わずと知れたあいの里シリーズ。35歳以上の男女が、田舎の古民家で共同生活を送りながらパートナー探しに挑む、というもの。特徴としては「すぐに本題に入る」。妊娠出産の話、夜の営みの話、自分の親の話など、若人が集う恋愛番組では5話くらいで出てくるような話がしょっぱなから飛び出してくるのがよい。

出てくる人は本当にいろんな経験をしている人が多く、ツワモノ揃いで、恋愛不適合な所作もあるんだが、なんとなく憎めないのである。『あいの里』は『あいのり』を制作していたチームが担当しているらしく、そういう「憎めない描き方」が似ている。

ギタリンという男性メンバーは女性メンバーにしつこくつきまとってしまい、中盤一旦離脱して帰ってくるのだが、いろいろやばいけどまあいいところもあるな、と思ってしまうのである。そして、ことあるごとに暗い顔で泣いているあやかんという女性メンバー。いろいろな過去があったのだと思うが、ちょっと怖いくらいに泣いてしまう。そんな彼女の表情があいの里の生活で変わっていくのも見どころだと思う。

告白するときは小高い丘の上の鐘を鳴らして告白する。結構多くのカップルが誕生するのだが、今シーズンは、迷いながらOKと答えている人もいて、それはそれで見どころなのかもしれない。

『バチェロレッテ・ジャパン シーズン3』(Amazon Prime・全9エピソード)

“あの萌子を越えてゆけ!元官僚のバチェロレッテが送る謎解き恋愛バラエティ!”

これまた言わずと知れた『バチェラー』の女性バージョン、『バチェロレッテ』シーズン3。本当に申し訳ないが、バチェロレッテシリーズはいまだ、シーズン1の福田萌子を超える人は出てきていない。彼女がぼくたちに与えてくれたエンターテインメントはすさまじく、そのすさまじさについては、こっとんがすでに2つの記事で説明してくれている。

シーズン1では萌子さん自身の行動や発言→参加者たちの反応を観察→ローズを渡すかどうか判断 というサイクルが毎回のデートで繰り広げられる。

このシンプルなサイクルがあったから、この人はどういう判断をするんだろうと、見ている僕らに謎の主体性を与えてくれたのである。

今シーズンは今シーズンで面白さはある。全体的に人間同士のぶつかり合いみたいなものはあまりない。これまでは選ばれる側だった男性の方から別れを告げたり、前日までいい感じだった人と突然別れに至ったり。謎解き恋愛バラエティ的な要素がある(笑)

そして、シーズン1とシーズン2と何が違うのだろう、というのも気になり見返したくなるというのもある。

『ラブ トランジット シーズン2』(Amazon Prime・全8エピソード)

“この人たちは復縁したくて集まったのか、テレビに出たくて集まったのか、まあいいやなんかキラキラしてるし”

元カレ・元カノが出会いなおして、共同生活的なものを送りながら過去の恋愛と新たな出会いを経験してくフォーマット。

シーズン1も見ているのだが、すまん、何がいいのかさっぱりわからない(笑)

インスタ映えしそうなところで、インスタ映えしそうな言葉を言ってヨリを戻して終わる。いやそれは勝手にやってくれよ、とつい言いたくなる。まさかこれが「エモい」というやつなのか。

誰がどうやってメンバーを募集して、出る人たちはどういうモチベーションで出るんだろう?などいろんな疑問はあるので、いろんな疑問にいちいち突っ込みを入れながら見ていくといくというのが面白いと思う。

スタジオも面白くない。

『シャッフルアイランド Season5』(ABEMA)

“圧倒的肉体美を誇る男女14名が、 真夏の島で“本能のまま”熱く儚い恋をする、とのことです”

コンセプトのまま。肉食系恋愛コンテンツを見たい人にはうってつけだと思う。

シャッフルアイランドという名前の通り、メンバーが二つの島に分かれて、くじ的なものを引いて数日おきにメンバーがシャッフルされるというシステムを採用。

圧倒的肉体美もずっと見ているとうっとうしくなってくるもので、しーまんは途中離脱してしまいましたが苦笑

まとめ

これまでの恋愛リアリティショーは、若い男女の恋物語の中で「自分だったらこうだな」とか「自分だったらありえないな」と、登場人物に感情移入して見ていくのが面白さだったと思う。

2024年のコンテンツは、「この人こういう気持ちなのかな」と自分とは違う状況の人にいろいろと想像を巡らせてしまうコンテンツが面白かった。

  • 記事を書いたライター
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しーまん

口癖が「そもそもそれって・・・」の面倒くさいアラサー男。図書館にひきこもっていたいけど、なんとか外界と接触して生きながらえている。東京在住。

  1. 『パリピ孔明 THE MOVIE』を観た

  2. 『教皇選挙』を観た

  3. 『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』を観た

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